周期性嘔吐症(アセトン血性嘔吐症)
【原因】
はっきりした原因は特定できていませんが、脳や神経系の命令系統の発達が未熟な為ではないかと考えられています。
神経質な子供が風邪を引いたり、疲労、ストレスなどがあるとそれが引き金になって起こります。
どちらかというと男の子に多く、成長過程特有の病気です。
季節的には冬から春にかけて、1日の内では夜間か起床時によく起こります。
かつては自家中毒ともいわれていました。
【症状】
食あたりなどのはっきりした原因が無いのに、急に元気がなくなって1日数回から数十回激しい嘔吐を繰り返し、ぐったりとして顔色が悪くなります。
吐物はりんごが腐ったようなにおい(アセトン臭)がします。
熱はほとんどでません。
激しい腹痛を訴えることもありますが、下痢はありません。
脈が速く、微弱になります。
顔色が青く四肢が冷える、脱水症状、血圧低下が見られるときがあります。
嘔吐の前日に遊びすぎたりして、非常に疲れたりしている場合に発作が起こる事が多いようです。
糖分や脂肪の代謝がうまくいかず、血中や尿中にケトン体が増加します。
重症例では黒褐色の血液を吐く場合もあり、痙攣を起こすこともあります。
しかし、重症になるのはまれであり、嘔吐の発作自体も1~3日で収まる事がほとんどです。
幼児期から学童期にかけてみられる事が多いです。
一度発症すると、たいてい年に数回は症状を繰り返します。
何度か繰り返しますが、思春期のころには見られなくなります。
自家中毒ともいいます。
【治療】
症状が軽ければ、2~3日安静にして水分を補給すれば、遅くとも1週間以内には治ります。
もともと神経質な子供がなりやすいので、騒がず、落ち着いた環境をつくってあげて下さい。
精神的に不安にならないようにする事が大切です。
水分をまったくうけつけないようなら、点滴の治療が必要になります。
また、吐き気止めや鎮静剤を使うこともあります。
吐物が気管の方に入ると窒息や肺炎をおこす恐れもあるので注意してください。
日常的には、偏食をなくし、規則正しい食事を取るように心がけます。
特に、夕食を取らずに寝てしまったり、ケトン生産を促してしまう高脂肪の食事を取るのは避けるようにします。
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