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動脈管開存症

【原因】

赤ちゃんが胎内にいる時は、動脈管といって、肺動脈と大動脈をつなぐ血管があります。

この血管は生まれてから自分で呼吸をするようになると、15時間以内に血流がなくなり、2,3週間以内に自然に閉じます。
これが閉じずに開いたままになっているものをいいます。

先天性心疾患の約10%を占めています。
動脈管開存症単独の場合もあれば、何か他の先天性心疾患を併発していることもあります。

この場合、合併する心疾患が出生後の肺への血流が動脈管開存症に依存している場合があり、動脈管開存を維持する為の薬(プロスタグランディン)を投与したりします。

しかし、他の多くの場合、動脈管が通る血流が様々な障害をもたらす可能性があり、閉鎖している事が望ましいのです。


【症状】

動脈管を通して、大動脈の血液が肺動脈に流れ込みます。

そのため、軽い場合は心雑音が聞こえる程度ですが、肺動脈へ流れ込む血液の量が多いと、肺高血圧を合併して、心不全を起こすこともあります。

生まれた時に未熟児であったり、難産だったり、周産期に低酸素状態にさらされたりといった事があると起こりやすいといわれています。

また、小児期に診断されて、そういえば赤ちゃんの頃少し母乳ののみが悪かった、体重が増えにくかった、ということもあります。

動脈管開存症の子供の約1/3は年齢のわりに体重が少ないといわれています。
動脈管を通る血流の多い赤ちゃんは息が早い、脈が速い、寝汗、手足の冷感といった症状があります。


【治療】

特有の聴診所見から診断される場合が多いです。
心臓超音波検査で診断がつきます。

胸部レントゲンや心電図には、動脈管の血液量が多ければ変化が現れますが、少なければ正常の所見を示すことも多いとされています。

未熟児、新生児の赤ちゃんが動脈管開存症により心不全症状を呈している場合には、インドメサシンといってプロスタグランディンの反対の作用の薬の投与を行います。

生後10~14日以内に投与すれば有効である事が多いです。

細い動脈管開存では、生後1ヶ月くらいに自然に閉じる事がありますが、それ以外は手術、もしくはカテーテル術を行います。

人工心肺を使わない手術のため、子供に負担が軽くすみ、比較的短期間の入院ですみます。
カテーテル術だと、胸に傷跡も残りませんが、血管の中を通して行う治療なので、赤ちゃんには応用できませんし、動脈管の形によってやりやすいものとそうでないものがあります。

したがってそれぞれの症例に応じて最良の方法を選択する必要があります。
動脈管閉鎖術施行後は正常な発育が見込まれます。

閉鎖術を行わない場合、動脈管を通る血流量が少なく肺高血圧にならなければ、日常生活に特に制限はありません。

ただし、この場合でも歯科治療や、心臓以外の病気何か手術を受ける場合、大きな怪我をした際には、動脈管を通る血液の乱流があると、血液中にばい菌が流れてくる菌血症の状態になったときに、心臓の内側の壁である心内膜にばい菌が巣を作って起きる病気です。

一旦ばい菌が巣を作って固まりになると抗生物質が効きにくく敗血症といって非常に重症化するのでこれを予防する必要があります。

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