肺動脈弁狭窄症
【原因】
肺動脈弁が狭くなっていて、右心室から肺に送られる血液がとおりにくくなるため、右心室に負担がかかります。
全先天性疾患の約10%近くを占める比較的多い疾患です。
【症状】
肺動脈弁が完全に閉鎖しているもので心室中隔欠損がないものを「純型肺動脈閉鎖」と呼びますが、通常別の疾患として扱います。
肺動脈が狭くなる場所としては肺動脈弁の上部、肺動脈弁、肺動脈弁の下、末梢の肺動脈そしてこれら4つの組み合わせがあります。
心雑音が主な主症状です。
【治療】
弁の狭窄があまりひどく無いようなら、心臓の専門医と相談しながら様子を見ていきます。
狭窄がひどく、右心室に負担がかかったり、狭窄が進行するようであれば、弁形成が必要です。
方法として、手術によるものと、バルーンカテーテルによるものとあります。
手術は、肺動脈弁を切開して広げる方法と、弁形成術とあります。
バルーンカテーテルは、カテーテルの先についている風船を膨らませて狭窄している部分を広げるというものです。
カテーテルによる治療の場合も、手術による場合も、狭窄が少し残る事があります。
ただし、狭窄を完全に解除しようとすると肺動脈弁の逆流が起こってしまうこともあるので、狭窄の軽減と肺動脈の逆流の二つを考えながら治療を行います。
いずれにしても、一般的に予後は良好な事が多いです。
多くの場合、他の子どもたちと同様に生活していけると考えられます。
ただし、残存する肺動脈の狭窄程度によっては多少の運動制限が必要になってきます。
少なくとも1~2年おきの外来通院を行い、変化がないかどうかを外来で経過観察する事が理想です。
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