子供の病気や健康大百科

【原因】

目の屈折や調節の異常、角膜混濁、白内障、網膜疾患、視神経の障害、両眼視機能障害、筋肉、筋組織の問題、などが原因となります。まれに、網膜芽細胞腫や、脳腫瘍などが原因の事もあります。

【症状】

• 内斜視・・・黒目が内側(鼻側)に寄っている状態です。時々しか寄らない場合もあります。
• 外斜視・・・黒目が外側(耳側)によっている状態です。疲れているときや眠い時などはどこを見ているが分からない目つきをしたりします。明るいところに出たりすると、片目で見たりする事が多いでしょう。
• 上下斜視・・・普段は首を傾けている事が多いのですが、物を見るときに、首をまっすぐにしたり、反対側に首を傾けたりします。
• 偽斜視・・・一見斜視に見えますが、治療の必要のないものです。赤ちゃんに多く見られます。

【治療】

目の位置や動きを検査します。
又、視機能検査、屈折検査、眼底検査なども行います。検査結果から、治療法を選びます。

屈折異常で起こっているときは、メガネで矯正します。その他、片目を覆ったり、視能訓練をすることもあります。 又、外科的に手術をする場合もあります。

乳児内斜視は１歳半～２歳で手術をして両眼視機能の獲得を目標とします。
手術は眼球を動かしている筋肉に手を加えて眼球の位置をミリ単位で調整します。

斜視の治療の原則は小児期に治療を完結することです。
成人になるまで放置していると内斜視の場合にはその目の視力を使わなくなり、視力が発達しないまま固定してしまいます。

また、小児期から斜視の状態で物を見ることに脳の機能が慣れてしまい、成人してから眼球の位置を替える手術をしても物が二重に見える複視という現象が起ります。

いずれにしても小児期に治療にチャンスを逸すると斜視を外見・機能ともに改善することは困難になります。

手術を受けて軽い複視が残った場合にはメガネで矯正できることもあります。