インフルエンザ
【原因】
インフルエンザウィルスの感染によっておこります。
冬の初めから春先にかけて流行することから、流行性感冒とも呼ばれています。
1月半ばから増え始め、2月始めにピークを迎えた後、3月くらいまで流行します。
インフルエンザのウィルスは人の免疫機構を巧みに逃れるように、少しづつその形を替えていきます。 このためインフルエンザは毎年流行します。
中には一冬に2回以上インフルエンザにかかる人もいます。
冬にインフルエンザが流行する理由として、寒さや乾燥で鼻やのどの防御機能が低下している、低温、低湿でウィルスの感染力を維持する、大勢が室内に集まり、ウィルスが充満しがち、が挙げられます。
【症状】
潜伏期間は1~3日です。
感染力の強いウィルスで、熱が38~39度と高くなり、頭痛やのどの痛み、 関節痛や体のだるさなど、普通の風邪よりも激しい症状が出るので、ぐったりとする場合が多いです。
5歳以下のインフルエンザでは約10%に熱性痙攣を伴います。
経過中に一度インフルエンザが治ったかのように解熱し、半日から一日で再び高熱を認める場合があり、2峰性発熱といわれます。
ときには、腹痛、下痢、嘔吐などの消化器症状も出てきます。
また、目の充血やのどの粘膜が赤く腫れたり、首筋のリンパ節が腫れることもあります。
合併症として、脳症、肺炎、中耳炎などが見られます。
仮性クループ、あるいは細気管支炎の原因となることもあります。
感染力が強い為、幼稚園や保育園、学校で爆発的に流行するのが特徴です。
新生児が感染した場合、症状に乏しい為、原因不明の発熱として扱われることもあります。
母親の免疫の存在する間は認められませんが、生後6ヶ月頃から次第に見られるようになります。
【治療】
のどの分泌地物を検査することにより、インフルエンザかどうか診断がつきます。
A型の場合は、アマンタジンという薬が効きます。
ただし、耐性が出来るため効力は長続きしません。
そのほかは、風邪と同じように症状を和らげる薬を使います。
気管支炎や肺炎、中耳炎などを合併しやすいので、抗生物質を投与することもあります。
発熱は、身体が病原体を攻撃しようとする為に起こる物なので、普通は抑えないほうが良いのですが、頭痛などがあって止む終えない場合には、比較的安全なアセトアミノフェンという鎮痛解熱剤を使います。
インフルエンザでは、ジクロフェナクナトリウム、メフェナム酸の解熱剤を使用すると、ライ症候群という重い脳症を 引き起こす事がありますので、注意してください。お家では、安静にしてください。
高熱で食欲が無い事が多いため、脱水にならないように水分を補給してください。
衣服や湿度を調節するなど、その他の手当ては、風邪症候群と同じです。
熱が下がっても、2,3日はウィルスが排泄されていることもあるので、他への感染を予防する意味からも十分な休養が必要です。
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