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未熟児網膜症

【原因】

網膜には隅々まで血管が通っていますが、この血管は胎生4ヶ月頃から伸び始め、生まれてくる直前には完成します。

早産で生まれて、未熟児の赤ちゃんは、その発達の途中で生まれてしまい、様々なトラブルが起こります。

高濃度の酸素投与も要因の一つと考えられているが、これだけが原因ではありません。
高濃度の酸素はこれから伸びていこうとする網膜の血管を収縮させます。

これがある程度以上続くと血管の先端部が閉塞していしまいます。
子宮の中から体外に出るだけで、赤ちゃんがさらされる酸素濃度は2~3倍になります。

これだけでもまだ発達途中だった網膜の血管は収縮します。
未熟児の多くは保育器の中で高濃度の酸素が投与されるのでさらに血管が収縮し、閉塞を起こしてしまいます。

保育器の中にいる間は高濃度の酸素のために、血管が閉塞しても、酸素は十分に行き渡り、血管が出来ていない部分の網膜も酸素が足りている状態になります。

しかし、酸素の投与がなくなると血管のない部分の網膜は酸欠状態になってしまいます。酸素不足を解消するために、血管を伸ばして酸素を供給しなければならないのですが、延びるべき血管が閉塞してしまっている為に、その周囲から新生血管という、未熟で異常な血管が周囲に向かって伸びてゆきます。


【症状】

血管の発育が悪いうちに生まれた早産の赤ちゃんは、呼吸窮迫症候群、酸素投与、交換輸血などの条件が加わると、血管は網膜上に伸びるのをやめ、硝子体の方へ延びていくので、それに網膜が引っ張られて網膜が剥がれてきます。

早いうちに発見し、治療をすれば、失明などの障害をほとんど残さずにすみます。
しかし、血管の発達が非常に悪い場合には、早い時期に網膜がはがれて、治療をしても失明してしまう場合があります。

網膜の中で起こる変化なので、外からは全く分かりません。
出生体重が1000g未満で生存した児の4%では、血管成長の異常が進んで網膜剥離を起こし、出生後2~12ヶ月以内に失明する事が多く見られます。

未熟児網膜症が治癒した小児には、高頻度で近視、斜視、弱視が起ります。
どの程度視力障害が出るのかは、瘢痕の程度によると考えられています。


【治療】

生後2~3週間ぐらいから定期的に眼底検査を行い、網膜症を発症しているかどうかや、進行の程度を検査します。

軽症の場合には、経過を見ていくだけで、自然に治っていく事がほとんどです。血管の異常が進んで、網膜がはがれてきた場合には、光凝固や冷凍凝固といった治療をします。

これは、血管がまだ伸びていない部分の網膜を、レーザー(光)や液化ガス(冷凍)などで、人工的に凝固させた状態にして、異常な血管の発達を促す物質の放出を抑えることにより、網膜症の進行を防ぎます。

ただ、いろいろな方法で治療をしても、網膜にひどくダメージがある場合は、視力障害を残す事があります。

又、未熟児網膜症の場合、数年後に網膜がはがれてきたりするために、経過を見ていく必要があります。 視力の低下に対しては、メガネによる矯正が必要となります。

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